不登校になると、勉強のペースが乱れてしまうため勉強は遅れてしまいますよね。受験期に差し掛かっている場合には「受験、大丈夫かな…」と不安になる方もいるでしょう。ということで本記事では、不登校になったときの勉強はどうするのか解説します。遅れを取り戻すために「勉強を始めたい」と思っている方はぜひ最後までご覧ください!
不登校になると勉強の遅れが心配!
ここでは不登校になっても遅れを取り戻せるのかどうかについてお伝えします。
授業の遅れを取り戻すことはできる?
不登校になった際、授業の遅れを取り戻せるかどうかについてですが、結論、授業の遅れは取り戻せます。
受験日の1、2か月まえから今までの遅れを取り戻せるかといわれれば難しいですが、半年不登校になってしまって、勉強を始めるのであれば充分学校の生徒と同じレベルまで学力を戻せるでしょう。その理由を次の章で解説します。
授業のスピードは早くない
不登校になった子が、学校のペースに追いつけるのは、学校の学習ペースがそんなに早くないことが理由です。
偏差値が特別高い学校では、高校2年生までに3年生の内容を履修済みになっていたり、数学や理科などの授業ペースが早かったりするためそれ相応の努力が必要になりますが、ほかの一般的な高校に通っている子であれば、後に紹介する勉強法を行うことで学校のペースに追いつけるでしょう。
また学校では家庭科や音楽、美術、体育、学校行事、部活など主要科目以外の勉強をしますが、不登校の子はそれらの科目を無視して主要5科目に絞って勉強できます。もしも私立の大学を目指す場合は、主要3科目で試験が受けられる学校が多いので、さらに科目数を減らして勉強できるでしょう。
不登校の子が勉強しない理由とは?
不登校の子どもたちが直面する問題は、多岐にわたります。ここでは、代表的な例について紹介させていただきます。
心が疲弊している
不登校になってしまう子どもは、学校へ行くことを義務と感じ、そのプレッシャーに耐えています。しかしストレスが限界を超えると、心身のバランスが崩れ、勉強への意欲を失ってしまいます。
具体的な症状を挙げると、以前は問題なく起きられた子どもが起床できなくなる、夜間の睡眠が不十分になる、精神的に不安定になる、といったものになるでしょう。これらは心身の疲労を示しており、とても勉強に取り組める状態ではないことを示しているため、周囲は配慮をしなくてはなりません。
保護者は子どもの心身の健康を考慮し、プレッシャーを和らげるサポートを提供するよう努めましょう。
勉強することに意味を見いだせない
学校に通う子どもたちでさえ、日常生活と直接関連しない学習内容に対して、その意義を見出しにくいことがあります。特に、複雑な数学の問題や歴史の暗記など、実生活での応用が明確でない内容に対して、疑問が生じやすい傾向が見られます。
不登校の子どもたちともなると、この問題の深刻さがより色濃くなるのは否めません。彼らは学校環境に対してネガティブな感情をもっており、学習内容に対する興味や動機付けを見つけることが一層困難になります。彼らには、自分の興味やニーズに合わせた教育が必要で、実生活での応用が明確な学習活動や、個々の関心を引き出す教材の使用が効果的でしょう。
このような状況を理解し、子どもたちに適切なサポートを提供することが重要です。保護者や教育者は、子どもたちが学習内容の意義を理解し、自分自身にとっての価値を見いだせるよう、個々の興味やニーズに応じた教育方法を探求する必要があります。これにより、子どもたちは学びの喜びを再発見し、教育への興味を取り戻すことができるでしょう。
どうやって勉強すればいいかわからない
また、勉強の仕方がわからないという問題もあります。不登校の期間中でも、学校の授業はどんどん進んでいきます。特に英語や数学のような積み重ねが必要な教科では、休学中に進んだ授業内容についていくのが難しくなるでしょう。そのため子どもたちは、「どのように勉強を進めればいいのか」「どこからはじめればいいのか」を見失うことがあります。
これらの問題を理解することは、不登校の子どもたちをサポートする上で非常に重要です。保護者らは、これらの困難に対して理解を示し、子どもたちが自分のペースで学習に取り組めるような環境の提供が求められるでしょう。
遅れを取り戻すには?取り戻すための勉強方法!
ではここからは遅れを取り戻す勉強法について解説します。ここで紹介する勉強法は不登校の子だからできる裏技ではなく、基本的な勉強方法になります。勉強に近道はないので、遅れを取り戻すのであれば地道にコツコツ進めていくことが必要です。
塾に通う
勉強の遅れを取り戻す方法として一番おすすめなのが塾に通うことです。まずは信頼できる塾を探し、講師の方とどの教科をどのレベルまで持っていきたいか相談するとよいでしょう。
集団で授業を受けたくない場合は、個別指導の塾を選んだり、学校の人と会いたくない場合には、少し離れた場所にある校舎を選んだりするのもよい案です。少し離れた場所を選ぶと外に出る機会が増え、家と塾とで勉強する環境の切り替えができるのでおすすめです。
家庭教師
塾に通うのが難しい方は、家庭教師を雇うのも手です。塾に通うよりも費用が高くなったり、教師の当たり外れがあったりしますが、家で授業が受けられます。外出しなくていいため、友人関係が理由で不登校になってしまった方でも利用できます。
学習サービスを利用する
現在は、授業動画などをまとめて掲載しているサイトやアプリ、講座などがあるので、それらを活用して勉強を進めてもよいでしょう。自分で計画を立て、自分で進捗を把握していく必要がありますが、いい意味でマイペースに勉強できます。
学習サービスを選ぶ際は、授業でわからないことをその場で質問できるようなサービスがついているものを選ぶとスムーズに勉強が進められるでしょう。
アプリで一緒に勉強する仲間を見つける
「自分で自分を律して勉強するのが苦手」「危機感がないと勉強できない」という方は、アプリで勉強仲間を集めるのもよいでしょう。対面で話すのは難易度が高いですが、顔も名前も晒さずに、チャットでやり取りするだけならハードルも低いのではないでしょうか。
勉強仲間を見つけるアプリにはグループがあり「〇〇大学を目指すグループ」や「〇〇資格ゲットグループ」「〇〇を習得するグループ」などがあるので、自分の目的にあったグループに所属するのがベスト。
ほかの人の勉強時間が見られたり、学習内容が見られたりするため、自分のレベルと比較して危機感を感じられるのもアプリを利用するメリットです。
フリースクールに通う
フリースクールは学校に通えない状況にある子どもたちに対して、柔軟で個別化されたサポートを提供します。フリースクールでは、従来の学校では難しい場合があるカウンセリングや学習支援が得られるため、子どもたちは自分のペースで学ぶことができるでしょう。
不登校の子どもたちにとって、フリースクールは居場所を提供するだけでなく、ほかの子どもや大人との交流を通じて社会性を向上させる場でもあります。さまざまなプログラムやアクティビティを通して、自己表現のスキルや興味を広げる機会を得られるでしょう。
一部のフリースクールは、公立学校と連携しており、そうした場合、フリースクールでの活動が出席扱いになることもあります。これにより子どもたちは、学校教育を受けながらフリースクールでのサポートも受けることができるでしょう。
ただし、フリースクールの選択には検討すべきポイントがあります。経済的な負担や地域によるアクセスの制限の問題もあるため、家庭とよく相談し、現実的な選択を考えることが重要でしょう。
不登校の子どもたちにとってフリースクールは、個別のニーズに合わせたサポートや多様な学びの機会を提供し、新たな友達や経験を通して成長する場となります。家族や関係者と協力し、子どもたちが安心して学び、発展できる環境を築くよう重視しましょう。
教育支援センターに相談する
教育支援センターは、市町村の教育委員会が設置する公的な機関であり、不登校の子どもたちや、学校生活に適応が難しい子どもたちを支援する専門施設です。
ここでは少人数での授業やさまざまな活動が行われ、公立学校との連携も強化されています。これらのセンターでは、少人数集団での授業やスポーツ、ゲームなど、子どもたちのニーズに合わせた多様な活動に参加することができるでしょう。
教育支援センターの大きな利点は、基本的に費用がかからないことが挙げられます。経済的な心配をせずにサポートを受けられる点は、家庭にとって頼りになるでしょう。また、通所が学校の出席扱いになることが多いため、学校教育も同時に受けることができます。
このように公立学校との連携による教育のサポートや、経済的な負担が少ない点は大きな利点でしょう。しかし子どもたちの個々のニーズや家庭の事情により、一部の課題も存在します。
まず登校が最終目標とされる場合、子どもたちはプレッシャーを感じることがあります。また送迎の負担もあるため、家庭の事情や地域の状況によっては、じっくり検討しなければなりません。
これらの課題に対処し、より多くの子どもたちが教育支援センターのサービスを利用できるようにすることが重要です。家庭と協力して利用を検討し、子どもたちが安心して学び、成長できるようサポートを受けましょう。
教育コーチングを活用する
集団塾や家庭教師のサービスを利用しても、思ったような成果が得られなかったという生徒にとって、教育コーチングは有効な選択肢となります。これらの学習サービスは生徒の個別ニーズや学習ペースに合わせた、じゅうぶんなサポートを得ることが難しい場合もあり、また、生徒が個々の学習スタイルやペースに合わせて学ぶことは、集団授業の形式では制限されがちなのも否めません。
しかし教育コーチングは、生徒ひとりひとりに合わせたカリキュラムや毎日の進捗確認を提供し、学習スタイルやペースに合わせて効果的に学ぶことができます。生徒の目標やニーズを理解し、個別指導を行うことで、自分の弱点を克服しモチベーションを高めることが期待できるでしょう。
特に、これまでの学習サポートが不十分だった子どもたちにとっては、教育コーチングが有効な選択肢となります。個別の注意とフォローアップにより、着実に進歩していけるでしょう。また教育コーチングは、自己管理能力や自立心の育成にも寄与するため、将来においても有益なスキルを身につけることができます。
教育コーチングは、家庭や生徒自身が求める頻度でのサポートが可能なため、不登校の子どもたちが安心して学び、成長できる手段となります。状況に合わせて柔軟にアプローチすることが重要であり、教育コーチングが新たな可能性を広げる一翼を担うことが期待されています。
勉強を始める前に何をすべきか
ここでは不登校になってしまった子が、勉強を再開する前にするべきことをお伝えします。「勉強を始めよう!」と思ってすぐに勉強を始めても続かないかもしれません。きちんと準備をしてから始めましょう。
生活リズムを整える
不登校になり、生活リズムが崩れてしまったという方は、生活リズムを整えることから始めましょう。基本的には、起きる時間を統一し、7時間以上の睡眠をとるようにするとよいでしょう。
朝早く起きるのが辛いという方は遺伝子的に夜型の可能性もあるため、自分のクロノタイプを診断してみるのもおすすめです。(クロノタイプ診断とは自分が朝型か夜型かが分かる診断テストです。DNAで決められているため、クロノタイプを診断しておくと無理のない生活サイクルを形成できます。)
まとめ
今回は不登校になったときの勉強の遅れを取り戻す方法を解説しました。不登校にはさまざまな理由があると思いますが「遅れを取り戻そう」と早くから行動できればいくらでも挽回できます。
また勉強を始める前に生活リズム整え、運動をしてみるのもリフレッシュになり、勉強を始める準備におすすめです。本記事を参考にして少しずつ勉強を始めてみてはいかがでしょうか。